Motor
Proteins

モータータンパク質とは?

 3分でわかる(気がする)モータータンパク質

 私達人間を含むすべての生物は「動く」ことで生きています。「動く」と聞くと筋肉の運動や鞭毛・繊毛の運動を思い浮かべるかもしれませんが、実は細胞分裂や細胞内の物質輸送といった細胞レベルでも、動物も植物も絶えず運動を行いながら生きているのです。
 そのような一連の運動で活躍するのがモータータンパク質(分子モーター、生体ナノマシン)と呼ばれるナノレベルの分子機械です。私達が食べたものは最終的にATP(アデノシン三リン酸)という形で蓄えられますが、モータータンパク質はそのATPを加水分解することで得られるエネルギーを利用して運動します。
 モータータンパク質には様々な種類がありますが、その仲間のうち、細胞を支える細胞骨格(例えば微小管)を「レール」としてその上を一方向に運動するモータータンパク質があります。当研究室ではその中でも微小管上を運動する「ダイニン」と「キネシン」と呼ばれるモータータンパク質がいったいどのように運動しているのかについて、その詳しいメカニズムを知るために研究しています。

<微小管上を歩くダイニンの模式図>

 ダイニンとは?

 微小管上をマイナス端方向に動くモータータンパク質で、大きく分けて鞭毛・繊毛運動の原動力となる軸糸ダイニンと細胞内輸送や細胞分裂を行う細胞質ダイニンがあります。ダイニン分子は非常に大きく複雑な分子であり、重鎖、中間鎖、中間軽鎖、軽鎖など複数のポリペプチドにより構成されています。
 運動活性に関わる主要な要素は重鎖であり、その中心部はAAAモジュールからなるリング構造をしています。
 このように複雑かつ巨大なダイニンはうまく実験に使えるように精製するのが困難とされてきましたが、当研究室は生物学のバックグラウンドを生かして活性のある状態で精製することに強みを持っています。

<軸糸ダイニンと細胞質ダイニンについての模式図>

 キネシンとは?

 微小管上をプラス端方向に動くモータータンパク質の一種で、細長い形状をしています。N末端側はキネシンヘッドと呼ばれており、微小管と相互作用する部位です。一般に二重体を形成し、人間が歩行するのと同じように2つのキネシンヘッドを交互に動かすことで運動していると考えられています(hand-over-hand mechanism)。

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